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振動計とは? 特定建設作業現場では必須振動レベルの単位、振動規制法、仕組みと使い方・計測方法について

振動計(振動レベル計)とは?

振動計(振動レベル計)とは、公害振動や作業環境による振動を計測する機器のことです。

1976年に施工された振動規制法によって特定建設作業現場では、JIS C 1519「振動計」以上の性能のもので振動の正しい計測・評価を行うことが定められています。

なお、公害振動とは、特定工場や建設工事、自動車の通行などによって地面や建物が揺れて人に不快感を起こさせる振動のことを言います。

計測する振動は垂直、水平、軸の3方向

振動計では、振動加速度レベル周波数補正を加えた振動レベル2種類が測定できます。また、周波数範囲は人間が感知できる1~80Hzを(計量法及びJIS)対象としています。

また、鉛直方向、水平方向、軸方向の振動を計測できる振動計もあります(三軸測定タイプ)

振動レベルを表す単位はデシベル(db)

そもそも人間の振動の感じ方は、周波数や振れ幅などによって違います。さらに、振動の方向性(鉛直方向と水平方向)によっても異なっています。

振動の大きさ
震度
85〜95デシベル
4(中震)
  • 電灯などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる
  • すわりの悪い置物は倒れることがある。
75〜85デシベル
3(弱震)
  • 棚にある食器類が音を立てることがある。
  • 屋内にいるほとんどの人が揺れを感じる。
65〜75デシベル
2(軽震)
  • 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる
  • 屋内で静かにしている人の大半が揺れを感じる
55~60デシベル
1(微震)
  • 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに 感じる人がいる
50~55デシベル
0
  • 人は揺れを感じないが、振動計には記録される
    ※約50dBが、住居内で振動を認識できる限界値とされている
出典:町田市「議題4 - 騒音・振動、臭気の規制値

そのため、公害振動の大きさは、物理量によって求めた振動加速度レベルに人間の感覚に近しい周波数重み付け特性(振動感覚補正)をかけて評価されます。これを振動レベルと呼び、「デシベル(db)」という単位で表されます。

苦情の7割が建設作業の振動

令和元年度の振動に関する苦情は、全国で3179件寄せられました。そのうち、建設作業に対する苦情が最も多く、全体の7割を超えて他を圧倒する結果となっています。

苦情の7割が建設作業の振動
出典:環境省「令和元年度(平成31年度)振動規制法等施行状況調査の結果について

工種別の苦情では解体・建築工事が全体の約9割を占める

やや古いデータとなりますが、平成15年度の調査からは苦情を工種別に見て見ましょう。すると、解体工事と建築工事への苦情が全体の約9割に上っていることがわかります。これらの工事現場で振動を正しく測定することがいかに重要かがわかるでしょう。

工種別の苦情では解体・建築工事が全体の約9割を占める
出典:環境省水・大気環境局大気生活環境室
「地方公共団体担当者のための建設作業振動対策の手引き」

振動規制法で特定建設作業現場における振動レベルは「75db」までに制限

「振動規制法」は、指定域内で特定の施設を設置している工場・事業場、指定地域内で行われる特定建設作業、指定地域内における道路交通によって発生する振動に制限を設け、地域住民の生活を守る法律です。

この法律によって、指定域内で行われる特定建設作業を行う事業者には工事中に発生する振動を「75db」までに抑えることが定められています。

なお、振動規制法が特定建設作業と指定する作業及びに振動の大きさ・作業時間は以下の通りです。

特定建設作業とは…

  • くい打機(もんけん及び圧入式くい打機を除く)、くい抜機(油圧式くい抜機を除く)又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く)を使用する作業
  • 鋼球を使用して建築物その他の工作物を破壊する作業
  • 舗装版破砕機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)
  • ブレーカー(手持式のものを除く)を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る)
出典:環境省「振動規制法パンフレット

振動の大きさや作業時間等は次のとおり定められています。

規制の種類/区域
第1号区域
第2号区域
振動の大きさ
敷地境界において75デシベルを超えないこと
作業時間帯
午後7時~翌日午前7時に行われないこと
午後10時~翌日午前6時に行われないこと
作業期間
1日あたり10時間以内
1日あたり14時間以内
連続6日以内
作業日
日曜日、その他の休日でないこと

ただし、火災や緊急事態により特定建設作業を緊急に行う必要がある場合等は、この限りではありません。

第1号区域

  • 良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域
  • 住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
  • 住居の用に供せて商業、工業等の用に供されている区域であって、相当数の住居が集合しているため、振動の発生を防止する必要がある区域
  • 学校、保育所、病院、患者の収容施設を有する診療所、図書館及び特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80mの区域内

第2号区域 指定地域のうちの第1号区域以外の区域

出典:環境省「振動規制法パンフレット

工事開始前の7日以上前に作業地域の市町村長への「届出」が必要

特定建設作業を行う建設工事の事業者は、工事開始の7日以上前に工事を行う地域の市町村長に詳細な届出を出す必要があります。なお、届出者は工事の元請業者であり、発注者や下請け業者は届出者にはできません。

自治体によって若干の違いはありますが、だいたい届出項目は以下のようなものです(詳細は工事を行う自治体に問い合わせる必要があります)。

  • 建設工事の名称
  • 特定建設作業の種類
  • 施行令別表第2に規定する機械の名称、型式及び仕様(台数)
  • 特定建設作業の場所
  • 特定建設作業の実施の期間
  • 特定建設作業の開始及び終了の時間
  • 振動の防止の方法
  • 発注者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 届出者の現場責任者の氏名及び連絡場所
出典:渋谷区「特定建設作業および指定建設作業」

そのほか、特定建設作業の工程を示した「工程表」、特定建設作業を行う現場付近の「現場案内図(見取り図)」などを添付する必要があります。


工事開始前の7日以上前に作業地域の市町村長への「届出」が必要

振動によって周辺の生活環境を著しく損なう場合には罰則もある

周辺の生活環境が著しく損なわれる場合および規制基準に不適合の場合には、作業地域の首長によって改善勧告が出されます。

さらに改善勧告に従わない場合には改善命令が出され、この命令に違反した場合には罰則が課されます。

振動計の仕組み

現在は小型化・軽量化された振動計も登場していますが、建設作業現場で使用される振動計は概して振動レベルなどを表示する「本体」、振動を測定する「ピックアップ」、本体とピックアップを繋ぐ「ケーブル」から構成されています。

振動計の使い方と注意点

振動計を使う際にはピックアップの設置の仕方に注意しなくてはいけません。

一般にピックアップと設置面のあいだには一つの振動系があります。このため、ピックアップの設置を上手にできないと測定したい箇所の本来の振動以上に振動してしまうことがあります。

これを共振動と呼び、振動を正確に測定するには、ピックアップの動きと接地面の動きが完全に一致している必要があります。また、ピックアップが地面に対して傾いていると正しく測定されないため、ピックアップは水平に設置しなくてはなりません。

なお、騒音規制法には下記のようにピックアップの設置方法が定められています。

  • 緩衝物がなく、かつ、十分踏み固め等の行われている堅い場所
  • 傾斜及び凹凸がない水平面を確保出来る場所
  • 温度、電気、磁気等の外囲条件の影響を受けない場所
出典:昭和五十一年総理府令第五十八号 振動規制法施行規則

振動計の検定と校正

振動計は、計量法の指定する「特定計量器」であり、計量法が定める規格に適合していなくてはいけません。

計量法によれば、騒音計を使用するためには使用する振動計が、検定を受け、なおかつ使用するタイミングが「検定」の有効期間の6年以内のものである必要があります。